創業は文政六年(1823年)。初代蔵元 車多太右衛門が諸国行脚の折、各地で口にした酒の旨さが忘れられず、自らの住まいであるこの地に酒蔵を構え、旨い酒をとの一心で酒造りをはじめたそうです。その時、蔵はうっそうたる森に囲まれており、木々の葉のすれあう音がまるで天狗の舞う音に聞こえたそうです。その謂れから、「天狗舞(てんぐまい)」の酒銘が生まれたそうです。 昭和52年全国新酒鑑評会で初の金賞を受賞したのは、現在能登四天王杜氏の一人で日本を代表する杜氏でもある中三郎杜氏が就任しまだ5年目の時でした。以後も名人杜氏の才能の開花に合わせ、香り高く軽快かつ深みのある吟醸は不動の人気を確立しました。
山廃仕込みの純米造り。これを長期熟成させてから出荷します。 山廃造りらしく、酸味・渋味を前面に出した味わいと共に旨みが押し寄せてくるような印象。香り・口当たりは意外に柔らかく、味が膨らんでいくような感じがします。濃醇なコクを楽しめます。色合いはやや黄色がかっています。 熟成させた純米造りの常としてお燗する事によって丸みが出てきます。