今、日本のワインが注目されています。日本のワインの品質の向上がその要因だと思います。品質が向上したのは、もちろん生産者の絶え間ない努力のおかげなのですが、2003年から始まった「国産ワインコンクール」や、フランス・イタリアに倣った「原産地呼称制度」の存在も大きいと思います。一生懸命造ったワインが正当に評価されるというのは、生産者にとって"やりがい"に繋がるからです。このように、日本のワインをとりまく状況も、いい方向に向かっているところです。 フランスの大手ワインメーカーの幹部が来日し、日本のワインを試飲した際、「日本にはこんなに美味しいワインがあるのに、なぜ多額の輸送費をかけて外国からまずいワインを輸入しているのだ」と不思議がっていたと言います。安さばかりを追い求めるあまり、低品質な外国産ワインが流通していることはご承知の通りだと思います。みなさんも一度はそういった低価格ワインを口にしたことがあると思います。「巷ではワインワインと騒いでいるが、何だ、こんなものか」と、以来、ワインをあまり口にしない方を目にしたことがありますが、最初に出会うワインがそのようなものでは本当にもったいないと思います。 酒販業に携わる私どもが一番大切にしていることは、生産者さんの情熱やこだわりといったものを、製品を通して消費者様に伝えることだと思っています。 どのような人が、どのようなブドウを、どのように生産し、そこにはどのような思いが込められているのか。1本1本のワインにはこういった物語が詰まっています。 国産ワインのいい所は、そうした情熱を持った生産者に気軽に会うことができること。そこで生産にかける思いを直に聞き、感じられることだと思います。 このような製品の背景を知ってから飲む一杯は、何も知らずに飲む一杯と違って格別なものとなるはずです。ぜひ日本のワインの素晴らしさを体感してください。